01.戦略の3階層

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年)

企業経営理論

問1

C.ホッファーとD.シェンデルは、戦略概念を整理し、戦略には階層があり、それぞれの戦略の検討事項は異なることを指摘している。彼らの分類に基づいた戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • 機能分野別戦略では、事業領域の選択が最も重要な戦略上の検討事項である。
  • コングロマリット企業の全社戦略では、事業間の資源シナジーの創出が最も重要な戦略上の検討事項である。
  • 事業戦略では、事業ポートフォリオ内の事業間での経営資源の配分が最も重要な戦略上の検討事項である。
  • 事業戦略では、独自能力の構築と競争優位性の獲得が最も重要な戦略上の検討事項である。
  • 全社戦略では、特定の製品や市場セグメントでの競争に焦点を当て、その事業の成長や利益を増加させることが最も重要な戦略上の検討事項である。

💡 最小知識セット:戦略の3階層

この問題を解くために必要なのは、以下の**「主語と目的のセット」**だけです。

戦略の階層主語(誰が・どこで)目的(何を検討するか)
全社戦略企業全体(社長レベル)ドメイン(戦う土俵)、資源配分(PPM)
事業戦略事業部(店長レベル)競争優位(ライバルにどう勝つか)
機能別戦略現場(製造・営業など)効率化(資源の有効活用)

🎯 「気の利いた」選択肢の捌き方(最短ロジック)

この問題は、「主語(戦略名)」と「述語(検討事項)」が正しくペアリングされているかを見るだけのパズルです。

  • ア:機能分野別戦略 ⇔ 事業領域(ドメイン)の選択
    • 間違い:ドメインを決めるのは社長(全社戦略)の仕事です。現場に「うちは明日からパン屋をやめてIT企業になる!」と決めさせるのは酷ですね。
  • イ:コングロマリット(全社) ⇔ シナジーの創出
    • 間違い:ここが「気の利きどころ」です。コングロマリットとは「多角化」の中でも関連性のない事業の集まり。つまり、シナジー(相乗効果)を期待しないのが特徴です。
  • ウ:事業戦略 ⇔ 事業間での資源配分
    • 間違い:複数の事業を俯瞰して「どの事業に金を突っ込むか」を決めるのは全社戦略(PPM)の役割です。
  • エ:事業戦略 ⇔ 独自能力の構築と競争優位の獲得
    • 正解:その事業の中で「どうやって勝つか(競争優位)」を考えるのが事業戦略の王道です。主語と述語が完璧に一致しています。
  • オ:全社戦略 ⇔ 特定の製品や市場での競争
    • 間違い:特定の市場で戦うのは「事業部」の仕事です。全社戦略はもっと抽象度が高いものです。

📝 「一言まとめ」

「全社戦略は『土俵』を決め、事業戦略は『勝ち方』を決める。現場(機能別)は『足腰』を鍛える。」

ホッファーとシェンデルの難しい名前が出てきてもビビる必要はありません。「誰が何を考えるのが自然か?」という組織の役割分担をイメージするだけで、この手の問題は全問正解できます。

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