03.VRIOの「I」を支える4大要素

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年)

企業経営理論

第 3 問
 VRIO フレームワークに基づけば、自社の経営資源の模倣困難性は企業の持続的な競争優位性を左右する。競合企業が経営資源を模倣する際のコスト上の不利をもたらし、自社の経営資源の模倣困難性を高める要因として、最も適切なものはどれか。


ア 競合企業には他に将来性が高く注力するべき経営資源があること。
イ 自社が歴史的な経緯で長い時間をかけて、独自の経営資源を獲得してきたこと。
ウ 自社の経営資源がどのように競争優位性につながっているのかが既に明確になっており、業界に知れ渡っていること。
エ 自社の経営資源の価値が特定の市場だけに限定されており、他市場では活用できないこと。
オ 自社の経営資源を代替できる別の経営資源が外部の企業から調達可能であること


VRIOフレームワークの中で最も差がつくのが「I(模倣困難性)」です。他社が「真似したくても、コストがかかりすぎて無理!」となる要因は、主に以下の4つに集約されます。

  1. 経路依存性(歴史性):長い年月をかけて積み上げたものは、一朝一夕には真似できない(例:老舗のブランド、長年の研究データ)。
  2. 因果関係の不明性:なぜ成功しているのか、外部(時には内部さえ)から見ても仕組みが複雑すぎて分からない。
  3. 社会的複雑性:社員同士の信頼関係や企業文化など、人間関係に根ざしたものはコピーできない。
  4. 特許(知的財産権):法律で守られていて手が出せない。

🎯 「気の利いた」選択肢の捌き方(最短ロジック)

この問題は**「他社が絶望する理由はどれか?」**を探すゲームです。

  • ア:競合企業には他に注力すべき資源がある
    • 間違い:これは競合の「都合」であって、自社の資源が「真似しにくい」理由ではありません。
  • イ:歴史的な経緯で長い時間をかけて獲得してきた
    • 正解:これこそが**「経路依存性」**です。「金はあるが、時間は買えない」という状況は、競合にとって最大のコスト的不利(模倣困難性)になります。
  • ウ:競争優位の仕組みが明確で、業界に知れ渡っている
    • 間違い:仕組みがバレているなら、真似するのは簡単です。これは「因果関係の不明性」の真逆をいっています。
  • エ:資源の価値が特定の市場に限定されている
    • 間違い:これはただの「汎用性の低さ」であり、模倣のしにくさとは無関係です。
  • オ:代替できる別の資源が外部から調達可能である
    • 間違い:他社が外から代わりのものを買ってこれるなら、自社の優位性はあっさり消えてしまいます。

📝 「一言まとめ」

「VRIOの『I』は、『金で買えない時間と空気』と覚えよう。」

模倣困難性の正体は、競合が札束で叩いても解決できない「歴史(経路依存性)」や「社風(社会的複雑性)」です。選択肢の中に「時間」「歴史」「経緯」といった言葉を見つけたら、それが正解への特急券です。

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